ハッピー・バースディ (角川文庫)

ハッピー・バースディ (角川文庫)


文章の途中に「この場合彼女は〜なのね」みたいな作者の注記が入るんです。
いや、作者というよりもこの物語を上から見ている女の子の突っ込み。
でもそれはこの人の昔からの変わらない文体だってことはわかってるんですよ。
わかってるけど読んでてイライラする。でもすごーくおもしろい。むかつく。
おもしろいから余計にむかつく。でもそれがなければ新井素子じゃないし
おもしろくないかもしれない。ものすごい葛藤しながら読み終えました。あー、おもしろかった。


一番興味深かったのは、「私」*1が書く文章はかなりの確立で「下品」であり
どんなに客観的に書こうとしても、それは自己正当化されたものになってしまうというくだり。
まさに今回の修二と彰のCDの件で「私」が、
何か書こうと思ってたけど結局書けなくてやめてしまった理由だなーと。
何を書いてもなんとなく嫌な気分にさせてしまうような気がして。
というわけで敵前逃亡した次第。
とこう書くこともまさに自己正当化だな。まぁいいんだけど。*2

*1:一人称で書くという意味です

*2:それを気にしすぎたらはてなで日記なんて書けない